クベバ

 ジャワ島などインドネシアの島が原産である。コショウ科の植物で、未熟の実を利用する。形状から、「しっぽのついたペパー」とも呼ばれている。ハーバリストのジョン・パーキンソンはクベバについて、「すこし甘い小さな実で、ペパーほど大きくはなく、黒くも堅くもないが、しわが多くでこぼこで、しっぽのような短い茎がくっついている」と述べている。
 古代中国では、薬として使われていた。ヨーロッパにはアラビア商人によって運び込まれ、薬用、食用ともに珍重された。ごく一般的に使われていたスパイスだったが、1640年にパーキンソンが書いた「園芸事典」によると、ポルトガル王国は、ブラックペパーの売れ行きを促進するため、クベバの販売を禁止してしまった。そんなこともあり、19世紀にはクベバはすっかり手に入らなくなってしった。現在においても、薬草などを扱っているところ以外での入手はかなり困難である。

クベバの使い方

■実
こげ茶色で、外皮にはしわがよっており、革のような感触がある。大きなものは直径が6mmほどある。

■実を割ったもの
クベバの実を割ると、小さな白、または黒の種が入っているが、空のものもある。

■粉末
ペパーの代用品にもなる。

■精油
咳止めの薬の材料として使用されている。

■ラセラヌー
クベバのホールを使う、モロッコのミックススパイスのひとつである。

クベバの香味と特徴

■分布
スリランカやインドネシアの一部では、コーヒー農場の副収入として栽培されていることもあるが、ほとんどは野生である。

■特性
蔓性の多年生植物で、とがった葉をしており穂状に白い花が咲く。

■収穫
熟す前の緑色の実を摘み取り、深いこげ茶色に変わるまで天日に干す。

■香りと味
刺激的な松やにのような香りがある。キリッとした辛みとほのかな苦みがあり、ペパーよりもオールスパイスに近い味である。

クベバの利用法

■料理
現在でも、ラセラヌーなどのミックススパイスや、インドネシアの料理に使われている。オールスパイスに似た味と香りがあるため、オールスパイスを使うような料理にはほとんど合う。肉類や野菜を使った料理には特に合う。

■薬用
古くから薬として使われており、現在でも東洋では薬用として用いられているスパイスである。痰(たん)を切るのによく、主に呼吸を楽にする作用がある。その他にも、防腐効果がある。